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国産小麦の選び方:春よ恋とミナミノカオリの違い

同じ「国産小麦」でも、品種が変わればパンの骨格がまるで変わります
国産小麦を使いたいと思っても、品種がいくつもあって何を選べばいいか迷うことがあります。Myth Nestでは2010年から国産小麦のみを使っていますが、品種の選択は今でも毎年見直しています。春よ恋とミナミノカオリ、この二つを中心に、実際に焼いてわかったことをまとめます。
春よ恋の特性
春よ恋は北海道産の強力粉で、タンパク質含有量が12〜13%程度あります。グルテンの骨格がしっかりしているため、成形しやすく、発酵中に形が崩れにくいのが特徴です。食パンやカントリーブレッドのように、ある程度の高さと気泡の構造が必要なパンに向いています。
吸水率は高めで、水を多く入れても生地がべたつきにくいです。ただし、こねすぎるとグルテンが締まりすぎて、焼き上がりが硬くなることがあります。Myth Nestでは春よ恋を使う生地は、こね時間を短めに設定しています。
ミナミノカオリの特性
ミナミノカオリは熊本を含む九州・四国で栽培される中力粉に近い品種です。タンパク質は10〜11%程度で、春よ恋より少ない分、グルテンの網目が粗くなります。その分、クラムがやわらかく、甘みが出やすいのが特徴です。
フォカッチャや季節のパンのように、ふんわりとした食感を出したいときに使います。吸水率は春よ恋より低いため、同じ配合で作ると生地が少し硬くなります。水分量の調整が必要です。
季節によって配合を変える理由
気温と湿度が変わると、同じ粉でも吸水の仕方が変わります。夏は粉が水分を吸いやすく、冬は吸いにくい。そのため、Myth Nestでは季節ごとに春よ恋とミナミノカオリの配合比率を微調整しています。
たとえば、秋から冬にかけては春よ恋の比率を少し上げて骨格を補います。夏はミナミノカオリを多めにして、生地の扱いやすさを優先します。この調整は毎年少しずつ変わっていて、決まった答えはありません。粉の個性を読むことが、国産小麦を使う面白さだと思っています。
品種の選択に正解はなく、何を焼きたいかによって変わります。まず一種類を使い続けて、その粉の癖を覚えることが先決です。
野村 紗希 · 国産小麦 · パン作り · 春よ恋 · ミナミノカオリ