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クロワッサンの折り込みで失敗しないための基本

層が出ない、バターが溶け出す、そういう失敗には原因があります
クロワッサンは、パン屋の中でも温度管理が最も難しい品目の一つです。Myth Nestでは三つ折り6回の折り込みを行っています。層が出ない、バターが溶け出す、といった失敗は温度の問題がほとんどです。具体的に何が起きているかを説明します。
折り込みバターの温度帯
折り込みバターは、生地と同じ硬さにすることが基本です。バターが冷えすぎていると、折り込む際に割れて層が均一になりません。逆に柔らかすぎると、生地の中に溶け込んでしまい、層が消えます。
適切な温度は13〜16度程度です。この温度帯では、バターが曲げても割れず、かつ生地に溶け込まない状態になります。熊本の夏はこの温度を保つのが難しく、作業室を冷やす必要があります。
- バターが冷えすぎ(10度以下):折り込み時に割れる
- バターが柔らかすぎ(18度以上):生地に溶け込む
- 適切な温度帯:13〜16度
三つ折り6回の意味
三つ折り1回で層が3倍になります。6回繰り返すと、理論上は3の6乗=729層になります。ただし、実際には折り込むたびに層が合わさるため、それほど多くはなりません。重要なのは回数より、各折り込みの間に生地を十分に休ませることです。
Myth Nestでは折り込みの間に15〜20分の冷蔵休憩を入れています。休ませないと、グルテンが緊張したままで生地が縮み、均一に伸ばせなくなります。
焼き上がりが10時のみの理由
クロワッサンは成形後の最終発酵に2〜3時間かかります。朝4時に仕込みを始め、折り込みと成形を終えると7時ごろになります。そこから2〜3時間の最終発酵を経て、250度の窯で焼くと10時前後に焼き上がります。
この工程を前倒しにすることは難しく、後ろにずらすと開店に間に合いません。10時の焼き上がりは意図したものではなく、工程の結果です。
折り込みの技術は繰り返しで身につきます。最初の数十回は失敗が多いですが、バターの状態を手で確認する感覚が少しずつわかってきます。
野村 紗希 · クロワッサン · 折り込み · パン作り · バター